Comparison, 3 Pianos' Color

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 個体差を乗り越えて,メーカーやモデル,そして年代ごとの色を探したいと,いつも希望を持っているわけですが,今回はBechstein,Bösendorfer,Steinway,いずれも210cm以上で比較してみましょう。

(評価・感想は私の個人的なものです)

 

(1)Bösendorfer モデル225

ベーゼンドルファー225,これは器は素晴らしい,鼻にかかる音色,もうそれは最高のピアノ。あと少し足りないのは低音部の手前から奥までの波,もうすこし長さを感じられるのであれば素晴らしいピアノになる気がします。上品なピアノですよこの子は。ただ,もっと素晴らしい225を知っているので,この子のポテンシャルを見極めるためには余計な記憶が邪魔します。弾いていて楽しい軸は少し足りないので,どんな曲が似合うのか,もう少し歳を取れば感じられるのかもしれません。

 

(2)Bechstein モデルC(C-91)

 私にとってベヒシュタインの多くは,少なくとも20分は弾かないと耳が楽器に慣れないという印象なのですが,このモデルCは違いました。艶があって素晴らしいし,低音部の奥行きもそれなりに感じられます。優しく弾くと温かく,激しく弾くとコツコツして最高です。これだけバランスの良いピアノは珍しいのですが,現在のベヒシュタインには無い艶と素直さが魅力的。このC-91の後のモデルからは,現代風のフレームに変更されたので,私はモデルEN(280cm)や,このC-91(234cm)の時代のベヒシュタインに魅力を感じています。

 

(3)Steinway モデルB(New York)

 最後はニューヨーク・スタインウェイのモデルB,ハンブルグとは別物だということを明確にできます。どこがかといえば,それはメカニカル(アクション等)と木材の合わせ方のワイルドさ。扱いにくいのに楽しいし,雑なのに美しい,どういうわけかニューヨーク・スタインウェイには特別な魅力を感じることが多い気がします。楽器として歌いますし,弾いて楽しい軸は3台中もっとも高い。ただし低音の奥行きは感じにくい。それはこのモデルBだけが他より10cm短いからではないと思う。物理的な長さよりも他に「奥行き」を感じさせるファクタがあるはず。